長崎市長 立候補 赤木幸仁

長崎市長 立候補 赤木幸仁

政策 2020.01.31

九州新幹線西九州ルートの敗北~5択から考える~

4月に当選させて頂いてから、特別委員会では九州新幹線西九州ルート・交通対策特別委員会に所属し、歴史、過去の議事録、現状を学び、9月には562名の方々から協力頂き独自にアンケート調査を行いました。

その後も現地視察や勉強を続け、委員会審議のなかで皆様から頂いた声を議会に届けておりました。

この1年間のことを考えると、

結果、私としては敗北です。完敗です。

 

私は政治家として、長崎県民にとってどのような方式がよいか様々勉強し検討してきました。安易な反対は絶対しませんし、反対するなら対案を示さなければならないと考えています。それこそ佐賀県が今言っているゼロベースから学んだと言ってもいいかもしれません。

 

「5択」

フル規格整備・ミニ新幹線・フリーゲージトレイン・スーパー特急・リレー方式

ここをゼロベースから議論。

はっきり言って、選択肢は5択もないのです。現状を見ればわかります。

長崎県としてはフル規格がいいと常々発信しておりますが、消去法から考えてみましょう。

 

リレー方式

2022年には武雄温泉駅で乗り換え時間3分での運行が始まります。これは長崎県民の反発がかなり予想されます。

リレー方式めんどくさいから特急かもめで一本で行ける。と思っている人がまだ7割ほどおります。そうはなりません。

長崎~福岡間は1時間30分を切るといわれていますが、いかんせん乗り換えがめんどくさいです。優雅な列車の旅ともいきません。長崎駅から乗って、20分から30分後には今のかもめに乗り換えて、その後1時間かけて福岡まで行く方式になります。

この固定化はなんとしても避けなければなりません。

私が実施したアンケート結果からもこのリレー方式を望んでいる県民は少ないです。長崎までくる特急かもめも廃止されます。はっきり言って、私の想定では利用者は減ります。高速バスへ流れることは容易に想像できますし、そもそもめんどくさいから長崎行かなくていいやとうマインドに繋がりかねません。

私が一貫して指摘したのは、県の担当者はことさら時間短縮効果を強調しておりました。

「今よりも早くなるから県民にとってもメリットはあるはずだ」

これが長崎県の考えの前提でありました。議事録にもこういった趣旨の発言はでております。

建設費はかかって、利用者が減っては意味がありません。県民のためではありません。費用対効果も悪いですし、JR九州もリレー方式は反対しております。

再度申し上げますが、リレー方式固定化は絶対あってはなりません。

 

スーパー特急方式

私は佐賀県の今の反発を考えたときに、スーパー特急方式を検討すべきだとの考えてをもっていました。そして、県民の皆様でのアンケートでもスーパー特急方式を推す声があります。

長崎県の答弁は、「そもそも200キロを超える速度で走れる車両が存在しません」との回答。

私は違和感を覚えました。

確かに、今の在来線を時速200キロ以上で走れる車両はありません。であれば、特急かもめでいいではないか。130キロ上限でもいいのではと考えておりました。

武雄温泉から長崎まで66㎞。それを最高130キロで走行した場合、平均時速換算で110キロ(※現在の新鳥栖~佐賀間と同じ時速)としたら36分です。途中駅にもとまらなかったら30分~32分程にもなるかもしれません。私の試算は今の特急かもめを新線で走らせると1時間32分程になりました。関西圏直通は断念しても、今よりは利便性は増しますし、だったらリレー方式よりこっちがいいのではと考えたのです。

しかし、この考えは現状を見て再考させられました。

視察の様子をYouTubeにまとめました。是非見てみて下さい。

https://youtu.be/b0wV7w5EhKs

すでに新幹線規格のレールが敷かれ、大村には車両基地の建設が進んでいます。

スーパー特急方式にするのであれば、これらをどうするのか新たな課題がでてきます。

レールは敷きなおし、車両基地もスーパー特急用へ。となればまた追加で何百億との費用を計上しなければなりません。果たしてそこまでのご理解を県民の皆様に頂けるのか。

「こういった議論をもっと早くできていれば。」

4月からでは間に合わなかったと言わざるを得ません。申し訳ございません。

 

フリーゲージトレイン

流れとしてはまずはスーパー特急方式が当初採択され、その後国からフリーゲージいかが?山陽新幹線も乗り入れられるし。との話から長崎県も話に乗りました。ご存じの通り、車両開発において問題を抱え、西九州ルートでの導入は断念しております。※開発は継続中

長崎県としてはこの方式がうまくいっていればそれでよかったのです。佐賀県にも納得してもらってました。

しかし車両開発に多額の費用がかかり、開業に間に合わないことによって国が方針転換を図りました。

フル規格でいきましょ!と。

それに長崎はまた乗ったのです。しかし、佐賀県での議論はできていません。在来線を利用するので、佐賀県としてはスーパー特急だろうが、フリーゲージだろうが、リレー方式だろうがよかったのです。※山口佐賀県知事もこの3方式は合意していると発言しております。

今のところいつ完成するのかわかりません。そして完成したとしても最高時速が270キロ想定なので、JR側が山陽新幹線への乗り入れを拒みます。つまり、結局今の特急かもめと同じ福岡~長崎間を走ることになりますし、フリーゲージトレインで福岡~長崎間の時間は1時間15分前後と想定します。リレー方式やスーパー特急よりはいいですが、まだできるかどうかもわからないものを待つことはできないと言っていいでしょう。

 

つまり現時点の消去法で、フルかミニか、最悪リレー方式の固定化しかないのです。

私としては暫定開業時にはどのような整備方針になるか示したい。

鹿児島ルートの場合7年間我慢して頂きましたが、長崎の場合は早くても13年前後我慢してもらうことになります。

13年。

今の政治家がどれだけ政治家でいるでしょうか。

私も含めてどうなっているかわかりません。社会も大きく変わっていることでしょう。

新幹線いらないという声も聴きます。

いらないならどうするのかしっかり案があるのでしたら是非お聞かせ頂きたい。

赤木幸仁は、今以上に可能性を広げるために私は、ここまで橋脚ができてしまっているのであれば利用するしか道はないと考えています。

それがこの一年宙ぶらりんで進んでしまったことに、議員としての無力感と反省を真摯に受け止め、できることを一生懸命行っていきます。