石木ダム問題解決にむけたプロセスについて中村知事へ質問
- 石木ダム問題解決にむけたプロセスを問う 知事は質問に正面から応えず
赤木:これまで県議会の中におきましても、石木ダムの問題については様々な観点から議論されてきたことと認識しております。佐世保市の慢性的な水不足の解消や川棚川の治水が主な目的とされておりますが、私は現地をこの目で見させて頂き、地権者の方のお話を直接伺いました。これまで守ってきた自然や土地、建物はもちろんのこと、文化やその場所での家族や友人と過ごした思い出。それが奪われてしまう心境というものは筆舌に尽くしがたいものがあり、その心情や苦痛については寄り添わなければなりません。
一方、これまでの経緯を県職員の立場から見たときに、反対派の方々から罵られ、顔をネットで曝され、一生懸命仕事に向き合っているのにも関わらず、精神的なダメージを受けている方々もおられます。この不健全な状態を解決するには政治しかありませんし、知事の姿勢にかかっております。
私は心理士としての活動の経験からも、長崎の今後のイメージにも影響がでてきてしまうと危惧しております。
11月には家屋も含む明け渡しの期限とされています。その先にこのまま行政代執行が行われたと想像するならば、涙ながらに家屋を奪われる様子が全国に放送され、SNSでも広がり、長崎県の強権的な姿勢として悲劇的な歴史を刻むことに繋がることは必至です。長崎県にとって、大きなマイナスイメージとなります。
報道にもあります通り、9月19日に地権者の方々と中村知事が5年ぶりに面会する機会を設けられたことは素直に歓迎したいと思っており、お互いの意思疎通が静穏な状況で行われることを切に願います。またこの先も知事が先頭に立ち、地権者お一人お一人の方々と誠心誠意向き合うことが求められると考えておりますが、その向き合う条件、また今後のプロセスについてどのようにお考えなのか知事にお尋ねいたします。
中村知事:赤木議員のご質問にお答えをいたします。
9月19日に予定されております石木ダム建設事業に反対されておられる地権者の方々との面会につきましては、地権者の方々の申し出の趣旨も踏まえて、地元地権者とそのご家族の方々とお会いすることとなっているところであります。
県といたしましては、従来から、地権者のお一人おひとりと膝を交え、個別に忌憚のないお話をさせていただけないかと願ってきたところであります。しかしながら、残念ながら、そうした機会をこれまでいただくことができず、今回は地元地権者の皆様と一堂にお会いすることとなっているところであります。
私といたしましては、地権者の方々のご協力をいただき、事業を進めたいとの気持ちは全く変わっていないところであり、今後も地権者の方々へのご協力をお願いしてまいりたいと考えているところであります。
赤木:9月9日の定例県議会知事説明書の石木ダム関連の最後に、「石木ダムの建設については、県民の皆様方の安全・安心の確保はもとより、県北地域の発展のためにも、早期完成に努め、佐世保市及び川棚町と一体となって事業の推進に力を注いで参ります。」と述べていますが、この県北地域の発展のためというのは何を指すのでしょうか??IR推進のために必要なのでしょうか。企業誘致でしょうか?
中村知事の姿勢というものは地権者だけでなく、長崎県民、全国の皆様がその発言や挙動を注目しております。
13日の一般質問の中で、中村和弥県議が、石木ダムについて、反対派からの意見はよく見るが、推進側からの意見が見えないとする趣旨の意見がございました。反対派や中立の方々からも「なぜ石木ダムが必要なのか?」の問いに、もっと明確に応え、発信し、伝えて頂きたいです。誠心誠意向き合い、引き続き対話の扉を閉ざすことないよう切に願います。